とくに平屋はあまりなじみがなく、暮らしているイメージが湧きにくいという方も多いはず……。
そこで今回は、平屋と2階建てにかかる費用やメリット・デメリットなどを紹介します。 じっくり比較して、後悔のない家づくりを目指しましょう。
平屋と2階建ての費用の比較
平屋と2階建てを比較するうえで、費用は重要な要素です。建築費用は、面積、間取り、素材、住宅設備などによって大きく変動します。そのため、一概にどちらが高い、安いとはいえません。
ここでは、一般的なケースについて紹介します。
平屋にかかる費用
平屋にかかる費用について見ていきましょう。▼ 建築時の費用
同じ延床面積で比較すると、2階建てよりも平屋のほうが、工事費が高くなりやすいです。
総工費の中で多くの割合を占めるのは、基礎や屋根の工事費です。平屋は、基礎や屋根の面積が広く、2階建てと比べて工事費が高くなります。
さらに、広い敷地面積が必要なため、坪単価も割高です。
▼ 建築後の費用
建築後は毎年、土地と建物について固定資産税の支払いが発生します。
一般的に、固定資産税は2階建てより平屋のほうが高くなるケースが多いです。
土地にかかる固定資産税は面積に応じて決まります。広い土地を要する平屋ほど、固定資産税が高くなります。
建物の固定資産税のベースになるのは、建物の規模や構造などを基準に定められる資産価値(固定資産評価額)です。
基礎や屋根の面積が広い平屋は使用する資材が多く、建物の資産価値が高くなる傾向にあります。
メンテナンス費用について比較すると、外壁と屋根で特徴が異なります。
外壁は、足場が不要な平屋のほうが、コストの削減が可能です。
一方、屋根のメンテナンス費用は、面積が広い平屋のほうが高くなると考えられます。
2階建てにかかる費用
2階建てにかかる費用について解説します。▼ 建築時の費用
同じ延床面積の場合、2階建ては基礎や屋根の工事費、坪単価を抑えられるものの、一般的に建築にかかる総費用は、平屋を上回ります。 なぜなら、2階建ては階段や廊下が必要だからです。その上、2階にもトイレや洗面台を設置するのであれば、設備費や工事費が上乗せされます。
▼ 建築後の費用
先述したように、同じ延床面積の場合、固定資産税は2階建てのほうが安く抑えられます。
屋根のメンテナンス費用は、屋根の面積が小さい2階建てのほうが安いです。しかし、外壁の塗装費用は外壁面積が広い2階建てのほうが高くなります。
2階にトイレや洗面を設置している家では、平屋よりも住宅設備が多いです。住宅設備の寿命は10〜15年とされており、修理や交換をしなければなりません。
平屋と2階建てのメリット・デメリット
長く快適に暮らせる家をつくるために、平屋と2階建てのメリット・デメリットについて確認しておきましょう。平屋のメリット | 2階建てのメリット |
---|---|
• 上下移動の負担がなく動線を短くできる • 天井の高さの自由度が高い • 家族とのコミュニケーションが増える • 地震や台風の揺れに強い |
• 狭小地でも居住空間にゆとりをもてる • 採光しやすい • プライバシーを確保できる • 二世帯で暮らせる |
平屋のデメリット | 2階建てのデメリット |
---|---|
• 広い土地が必要 • プライバシーの確保が難しい • 日当たりや風通しが悪い場合もある • 水害対策や防犯対策が必要 |
• 階段の上り下りが負担になる • 動線が複雑になる • 地震や台風の揺れが影響しやすい • 外壁のメンテナンス費が高い |
平屋のメリット
平屋のメリットについて見ていきましょう。1.上下移動の負担がなく動線を短くできる
ワンフロアの平屋は、階段の上り下りが不要で、足腰に負担がかかりません。
階段で転落する危険がなく、バリアフリー化もしやすいので、高齢になっても快適に暮らせます。
短い動線で効率のよい間取りがつくれるため、家事もスムーズに進められます。
掃除にも手間がかかりません。
2.屋根の高さの自由度が高い
2階部分がない平屋は、居住空間を圧迫することなく天井を高くできます。
リビングを勾配天井にして開放感をもたらしたり、ロフトを設けて収納スペースを充実させたりと、快適な間取りづくりが可能です。
3.家族とのコミュニケーションが増える
常に同じフロアに家族がいる平屋は、自然とコミュニケーションが増える環境です。
顔を合わせなくても、家族同士の存在を近くに感じられます。小さい子どもや高齢者にも目が届きやすく安心です。
4.地震や台風の揺れに強い
平屋は高さが低く、2階建てよりも地震や台風による揺れの影響を受けにくくなります。
2階建てより外壁の面積が小さい平屋は、風が当たる面積も少なく済みます。
耐震性や耐風性を優先させたい場合は、平屋がおすすめです。
2階建てのメリット
2階建てのメリットについて、ひとつずつ解説します。1.狭小地でも居住空間にゆとりをもてる
2階建ては平屋より階層が増える分、敷地面積が小さくても十分な居住空間を設けられます。土地の購入費用も抑えられるので、建物や設備に予算をまわせます。土地の価格が高い都市部では、狭小地を有効活用した間取りの家がつくれます。
2.採光しやすい
近隣の建物との距離が近い場合は、日当たりが悪くなりがちですが、2階建ては建物の高さを活かして効率的に光を取り入れられます。吹き抜けを設けて天窓や高窓を設置すれば、家全体に光を届けられます。平屋より高い位置から採光でき、都市部の密集地でも明るい家に仕上げられます。
3.プライバシーを確保できる
1階にリビング、2階に個室を設ければ、パブリック空間とプライベート空間に分けられます。リビングの生活音が2階に響きにくくなるため、個室で仕事や勉強に集中しやすくなります。
人通りが多い道路に面している場合は、リビングを2階に設けることで、外からの視線を気にせずに済みます。
4.二世帯で暮らせる
2階建てなら、二世帯でも暮らせます。1階に親世帯、2階に子世帯と分けてそれぞれにキッチンや浴室を設置すれば、ほどよい距離感で快適に過ごせます。
平屋のデメリット
平屋にもデメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
1.広い土地が必要
平屋の家では、延床面積以上の土地を用意しなければなりません。
延床面積30坪の家を建てる場合、建ぺい率(※)50%の土地であれば、60坪の広さが必要です。土地の面積が広い分、固定資産税も高くなります。
※敷地面積に対する建築面積(建物を真上から見たときの面積)の割合
2.プライバシーの確保が難しい
平屋は、生活音が伝わりやすく、プライバシーを確保しにくくなります。部屋と部屋の間に廊下やクローゼットを設けるなど、間取りの工夫が求められます。
場所によっては外からの視線が気になることも。窓の位置や大きさは慎重に検討しましょう。
3.日当たりや風通しが悪い場合もある
周辺に2階建て以上の建物があると、日当たりや風通しが悪くなる可能性があります。
敷地にゆとりがあれば、周辺の建物と離れた位置に家を建てて、十分な日当たりを確保するのが理想的です。中庭を設けると、光や風を室内に取り入れやすくなります。
4.水害対策や防犯対策が必要
平屋は、浸水したとき2階部分に避難できません。そのため、水害リスクの低い土地を選ぶことが重要です。ハザードマップを確認したり、過去に水害被害のあったエリアを調べたりしましょう。
また、1階に開口部が多い平屋は、空き巣などに侵入されるリスクも高まります。
防犯ガラスや人感センサーライトの設置など、防犯対策も重要です。
2階建てのデメリット
2階建てのデメリットについて解説します。1.階段の上り下りが負担になる
2階建ての家では、階段の上り下りが負担になります。高齢になったときに体に負担がかかるだけでなく、上下の移動を面倒に感じるケースも少なくありません。ふとんや家具などの大きな荷物を運ぶときも、労力がかかります。
2.動線が複雑になる
階層が増える2階建てでは、動線が長く複雑になります。2方向からアクセスできる間取りや、回遊性のある間取りを取り入れるのがおすすめです。水回りの配置を集約させるなど、家事動線にも注意しましょう。
3.地震や台風の揺れが影響しやすい
平屋より建物が高く、外壁の面積が広い2階建ては、地震や台風による揺れの影響を受けやすくなります。海や湖の近くや住宅が少ない場所は、風の影響が大きいおそれも。強度な地盤の土地を選んだり、建物の構造をシンプルにしたりと、揺れを軽減できる対策を検討しましょう。
4.外壁のメンテナンス費が高い
外壁の面積が広い2階建ては、外壁塗装のメンテナンス費が高くなります。外壁の塗り替え目安となる10~20年ごとに、継続した支出となる点に注意しましょう。
実際の平屋と2階建てのお家をご紹介!
実際にジョイフルホームが建てた平屋と2階建てのお家を紹介します。平屋のお家
平屋のお家を紹介します。◆LDKと各居室がつながる平屋
17畳の広々としたLDKと、3つの居室がつながった3LDKの平屋。
ほどよい距離感を保って居室が配置されており、プライバシーを確保しながらも、家族とのコミュニケーションがとれる間取りです。
キッチンや脱衣室がコンパクトに集約され、家事もスムーズに進められます。
平屋のお家の詳細はこちらからご覧ください。
2階建てのお家
2階建てのお家を2件紹介します。◆回遊できる間取りの2階建て
1階にLDKと水回り、2階に3つの居室とバルコニーを配置。
キッチンの隣に、洗濯機のあるユーティリティールームが配置され、料理と洗濯の同時進行できる間取りです。
LDKとユーティリティールーム、玄関ホールは回遊でき、朝の忙しい時間帯も混雑しません。
ベビーカーや防災グッズも置けるシューズインクローゼットに、3.5畳のウォークインクローゼットなど、収納も充実しています。
詳細はこちらからご覧ください。
縦長のLDKで、キッチンに立てばリビング全体が見渡せるので、子どもの様子を見ながら料理ができます。
2階の居室すべてにウォークインクローゼットが設置されているほか、2階ホールや階段下にも収納スペースがたっぷり設けられています。
衣類や物が多い場合でも、収納場所に困りません。
詳細はこちらからご覧ください。
まとめ
平屋は広い土地が必要ですが、ワンフロアで効率のよい動線の間取りにしやすく、家族とのコミュニケーションも増えます。2階建ては、総工費は平屋より高い傾向にあるものの、狭い土地でもゆとりある居住空間をつくれます。
それぞれのメリット・デメリットや長期的な支出をシミュレーションして、快適に暮らせる住まいを選びましょう。
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